自分で選んだ事はやり抜く

自分で選んだ事はやり抜く
子どもは、自分で「自由に選んだ」ことはやり抜こうとします。

自分が自由に選んで始めたことは、どんなに難しくても
投げ出さないで何回でも何日でも繰り返します。

そして繰り返しながらどんどん「集中」していきます。

真剣にかかわり集中して始めて、やり抜いたことには必ず終わりがきます。

誰から促されたわけでもなく自分から「これで終わりにする」とやめます。

①自由に選ぶ→②繰り返す→③集中する→④完了感をもって終わる、
といったと四つのステップを踏みしめた活動、この一連の流れは
「活動のサイクル」と呼ばれています。

この「活動のサイクル」を経ると、子どもは安定し、
素直になり、他の人に優しくなり、
自立の程度が一回り増すと言われています。

そのような事実を考えると、子どもが、この「活動のサイクル」を
踏みしめる過程をサポートすることこそ、教育のもっとも基本的で
重要な役割を果たすと考えるべきではないでしょうか。

教育の全ての努力は、結局は、子ども自身がこの「活動のサイクル」を
自分で歩みぬけるよう、そのための環境を整えたり、援助したりすることに
なるのではないでしょうか。

そこで大人が最初に配慮すべき事は、子どもが「活動のサイクル」を
歩み出すスタート点の援助を行う事になります。

何よりもまず、子どもが自分で「自由に選ぶ」ことを
可能にしてあげることが大事になります。

ただ、現実の生活の中で具体的にどのようにすればいいのかが
わからないと思う方は多いのはないでしょうか。

保育園に子どもを預ける方のほとんどが、
仕事と育児に追われる日々を送っていることだと思います。

その中であっという間に幼児期が過ぎ去ってしまい、
子どもが小学校に就学してから、色々な問題が目立ってきたりした時に、
幼児期に配慮しておけば良かったと思っても後の祭りと
いうようにならないように援助してあげましょう。

整理整頓一つをとっても、乱雑さを形成しているのは
性格のせいと決め付けるのではなく、
幼児期に、子どもに対してどのような態度や
教え方をしていたかを考えるべきなのです。

極端に整理整頓ができないのは、子どもが大人の真似をした
衝動がある模倣期に何でも親がやってしまったことにより、
自立の目をつぶしたせいではないかと気づくことが多いようです。

幼児の模倣期を上手く利用して、一つひとつの動きを提示し(して見せ)、
秩序立った動き方、身のこなしを伝え、そうすることで子どもに動きを
獲得させるのだと知っていれば、もう少し違ったことができたのではないかと
反省する事があるようです。

「活動のサイクル」を踏みしめて子どもは良い時状態に変っていくのですが、
その出発点は、子どもが自分の意志で自由に選ぶことになります。

でも、自分から「やりたい」と飛びついても「やり方」がよくわからなければ、
すぐに投げ出すのはいたしかたがないことです。

子どもが選ぶのものは自分が知っていなければならないのです。

子どもが知っているものを増やしてあげるには、
大人の援助が必要不可欠になります。

「やり方」を子どもが理解できるように「して見せた」りして、
サポートしてあげることが大事になるのです。