運動の敏感期
- 運動の敏感期
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子どもは3歳頃になると、自分の意志がはっきりしてきて、
「自分が主人公」「自分の行動の主人公」になりたいと思い始めます。
それは、自分の意志通りに目的に向かって
行動したいと思っているという事です。
視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚などの感覚器官の敏感期は、
同時に、取り入れた情報を行動にするという
「運動器官の敏感期」でもあるという事になります。
運動器官とは、随意筋とそれの周りの神経や
骨格など全てを含めてのことをいいますが、
運動器官の敏感期には、随意筋を自分の思いどおりに
自由自在に使いこなせるように調整するために、
ありとあらゆる動きを全力投球でする時期になるということです。
子どもがこの時期に入ると、ある動きを身につけるために、
子どもはひたすら繰り返し行うことが楽しくてたまらない、
そこに果てしない情熱というものが出てきます。
敏感期の強烈な感受性とエネルギーは、
子どもの心と体を駆り立てます。
内面からこみ上げてくる感受性と、
今おかれている環境の中から今なら必要な
経験ができるものを探し出し、
そこに情熱を持って関わっていく事が、
楽しくてたまらないという状態になります。
随意筋を調整する時期は、四種類くらいの
運動の種類の動きを訓練します。
①体全体を大きく動かす。
この時期は、一生に一回だけの「全力投球を惜しまない」、
全くセーブをしない時期にあたるそうです。
この時期を過ぎると誰でも省エネの時代に入るようで、
なるべく動かないですむように工夫するようになるという事です。
この時期に全力を出し切ることを経験するのとしないのでは、
その後の人生で差が出るともいわれています。
全力で動き回りたいこの時期は、
子どもに力いっぱい動ける環境や機会を与えるようにしましょう。
②バランスをとる、つまり、平衡感覚や均衡感覚。
この時期の子どもは、何故かちょっと高くなった
ブロックの上を歩きたがったり、
端から見ると危なっかしげに見えるようなことを
好んで行うようになります。
大人はどうしても、反射的に「危ないからダメ!」と
やめさせようとしてしまいます。
ただ、この時期は、こういった曲芸まがいのことをしながら
バランス感覚を身につけようとしていると考え、
大人が危険でないかどうか注意しながら見ていてあげると、
子どももその事を意識して慎重に行動しますから、本当に危険なことは行いません。
もちろん好き勝手なことをさせて良いというわけではありませんが、
幼児期に、さまざまの機会を見つけて体の平衡感覚を身につけた子どもは、
その後の生活で不注意からの事故に遭うことが少なくなります。
傍で見ている大人が、
「子どもは、バランス感覚を身につける訓練中」であることを意識して、
子どもがバランスをとる訓練に挑戦中の姿を、注意深く見守ることが大事になります。
③肩と腕を一緒に使う。
この時期の子どもは、また、何故か重い物を持ちたがります。
重い物を持ちたいといってくることを経験した大人の方も多いのではないでしょうか?
これは、重い物と自分の体力との均衡関係を保ち合っているということになります。
どうしても大人は、落とすんじゃないか、
転んだりしたら大変だと、「ダメ!」といって阻止したり、
変わりに持ってやったりしますが、
それでは、子どもは均衡感覚を身につける訓練がなかなかできません。
重いものを持ちたがり始めたことから、何度もしっかり持って歩いた子どもは、
幼児期の終わりごろにはすでに挑戦する力が育っているようになります。
買い物にいった時など、持ちたいと意志を表示したら、お願いしたり、
家の中でも食器をのせたお盆などを運くれるようにお願いしてみましょう。
④指先を使う。
年を取ってからも指先を使う事は大事なことと言われていることからも、
この「運動器官の敏感期」が訪れてから、生涯、
指先を使うという事は大事なことなのかもしれませんね。
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