反抗期という言葉で片付けないで

反抗期という言葉で片付けないで!
誰もがよく耳にする反抗期という言葉。

2歳前後になった頃から、、急に不機嫌になってグズったり、
突然泣き出して泣き止まなかったり、
何が気に入らないのかテコでも動かなかったりして、
周囲の大人を困らせる事があるのではないでしょうか。

どんなになだめようと努力しても、大人のいう事をきいてくれないだけではなく、
必死に抵抗してくることも珍しくありません。

そんな時、大人は子どものこういった態度を反抗期として
判断して嘆く事は多いのではないでしょうか?

でも、これって本当に反抗期なのでしょうか?

「反抗期」という用語は大人が勝手に作り出したものに過ぎないようです。

子どもの必死の叫びの真の原因を知らない大人は、
「反抗期なんだ、反抗期だから仕方がない」と、
この用語で理由づけをして片付けようとします。

反抗期だから仕方がないという結果にされてしまうと、
泣き叫んで抵抗した子どもの言い分、内容は無視されてしまいます。

モンテッソーリは
「子どもの突然の不機嫌な大泣きには必ず原因があります」
と言っています。

そして、子どもが必死で反抗する原因を突き止めました。

2歳前後の命がけの抵抗には主に二つの理由があり、
一つは、「自分で」やりたかったのに、
大人が勝手にやってしまったからという事になります。

「自分でやりたい」願望が出てきているときに、
「私がするのだ」と決めていた事を大人がやってしまうと
子どもは全力で怒るという事です。

大人自身が知らなかったが為に、行ってしまった行動が原因で、
子どもが不機嫌になったのに、それを理解することも反省することもなく、
「反抗期」で片付けてしまう大人は非常に多いのではないでしょうか?

もう一つは、「秩序が狂った」という事になります。

子どもには子どものルールのようなものが存在していて、
「いつもの場所にない」「いつもの順番ではない」
「いつもの人の物ではない」など、
子どもが慣れてきた場所、順番、所有物が通常と異なると、
泣き出したりぐずったりします。

子どもにとって、いつもの場所、いつもの順番、
いつものやり方などがとっても大事になるという事です。

一般的に反抗期と言われている、1歳から目立ち始め、
3歳ごろをピークとして次第に消えていくこの不思議な感覚を、
モンテッソーリは「秩序感」と呼びました。

反抗期ではない、この「秩序感」の事を知っているのと
知らないのでは大違いとなります。

当然、「秩序感」の事を知っていれば、反抗期ではなく、
「秩序感」というこの時期特有の感受性に起因していることに気がつき、
子どもの反応をよく見て、それに合った対応方法を考えることができます。

また、これも乳幼児期みられる「自然のプログラム」に
従っての成長だと考えられますので、
それを無視して抑えつけることは、自然の法則に逆らう事に
なると気づくことができます。

「自然のプログラム」に従う事を大人が妨げていると
命が抑圧されることになるので、
命がけで必死に抵抗するという理由が分かるという事は
とても大事なことです。

理由を知らない大人は、反抗期だと決めつけて、
子どもの必死の抵抗を上回る強権を発動して
横暴な態度にでてしまうかもしれません。

そういった事が積み重なったり高じたりする事によって、
普段は善良な親でも虐待まがいの事をしてしまうかも
しれないという危険もでてきてしまいます。

でも、原因を知っていれば、どもにとってベストの
方法を工夫するようになるのではないでしょうか。