保育士等における現状(2)

保育士の平均的な賃金は、男女合わせた常勤の保育士さんできまって支給する現金給与額が216万1千円で、平均年齢は34.8歳、平均勤続年数が7.6年となっているとの事です。

男女別で見てみると、男性の構成比は6.6%で平均年齢は31.4歳、勤続年数は6.3年で、きまって支給する現金給与額は239万4千円、これに対して女性は、構成比は93.4%で平均年齢は35.1歳、勤続年数は7.7年で、きまって支給する現金給与額は214万4千円となっているようです。


全職種での平均となる数字は、男女合わせた常勤の正社員の場合きまって支給する現金給与額が329万6千円で、平均年齢は42.1歳、勤続年数は12.1年となり、男女別では、男性の構成比が67.2%で平均年齢は42.9歳、平均勤続年数は13.5年、きまって支給する現金給与額は365万7千円となり、女性の構成比は32.8%で平均年齢は40.6歳、平均勤続年数は9.3年、きまって支給する現金給与額は255万6千円となっています。

色々な業種があり、一概に比べる事は正しい事ではないのもしれませんが、きまって支給する現金給与額は他の職種に比べると低いといえる事ができます。
但し、看護師を除く他の福祉関連の仕事や幼稚園教諭では、ほぼ同じような数字が示されています。


現在、就業している保育士さんの職場の改善希望として最も多かった回答が「給与・賞与等の改善」が全体の6割に近い数字で圧倒的に多かったと報告されています。次に多かったのは「職員数を増員して欲しい」という事で全体の約4割、次いで「事務・雑務の軽減」が3割5分、「未消化(有給等)の休暇の改善」が3割位と、労働条件や素h区場への不満の高さがみられ、それが10.3%という離職率にあらわれ、経験年数が7年以下という経験年数が低い層の保育士の方が半数という数字に表れているのかもしれません。

また、日々の主な業務の中で、保育士さんが負担と感じてる業務は、ほぼ毎日行われる会議・記録・報告(施設内の活動)となっているようです。
会議は毎日行われるわけではありませんし、その他の事も、時間にしてみれば1時間弱なのですが、その他の事や予期せぬ事が発生してしまうこともあるので、その部分の負担が少なくなればと感じている保育士の方は多いようです。

こうした保育士さんの平均賃金や、離職率、またその理由などを考察したからなのか、潜在保育士が年々増加しています。

保育士の登録者数も毎年増えていますが、それと同じくらいの伸び率で、潜在保育士の数も増えています。

勤務者数も増えているの、一見、問題がないように見えますが、待機児童解消のために保育園・保育所を増やしている現状のままでは、さらに保育士不足が加速するのは間違いありません。

園に入れない子どもがいる待機児童の問題だけではなく、いかに保育園で長く働いてくれる保育士さんを確保していくか、保育園からの離職者を減らすか、潜在保育士や、これから新たに登録する保育士さんにいかに魅力ある仕事であり、それなりの見返りがあるという事を示していかない限り、現状を打破するのは難しい問題なのかもしれません。