「まち・ひと・しごと創生本部」 保育の場への影響は?

「まち・ひと・しごと創生本部」が、
この9月に地方の人口減少対策や地域の活性化に取り組むための司令塔として発足します。
安部首相を本部長に全閣僚で構成することになっています。
内閣の改造に合わせて、担当大臣も新設するとの事です。

東京に一極集中が進む中で、一部の地域を除いて地方の衰退は進み深刻なものになっています。
特に人口の減少は地域の未来に暗い影を落としています。

このままの状態が続くようでは、ある民間機関の研究によると、
2040年までに国内の約半数の市町村が消滅の危機にあると報じられました。

その情報を受けて全国知事会が少子化非常事態宣言を出し、
政府が新組織を立ち上げる事になったといっても過言ではありません。

「まち・ひと・しごと創生本部」は2020年までの具体策
「総合戦略」と50年後を見据えた「長期ビジョン」を来年の1月にまとめるという、
かなり性急な方針を打ち出しています。

果たして、そこまで性急にいろいろな事を決められるのか?
来春の統一地方選を睨んでの行動なのかと、疑問を持ちたくもなります。

人口の減少や少子化は経済環境や社会環境、価値観の変化などが背景にあり、
子育てに関する考え、家計、雇用機会の動向、社会保障制度の動向など、
いろいろ多くの要因が複雑に絡み合っていると考えられます。
そのような事を含め、求められているのは、
それぞれの地域の実態や社会構造にまで踏み込んだ省庁横断の大胆な処方箋であり、
実験への行程表なのではないでしょうか?

地方には、アベノミクスの恩恵を受けているのは大企業と都市部だけという、
不満が常にくすぶっています。

実際には、都市部で恩恵を受けているのは大企業と、
大企業に勤務しているものと公務員だけしか恩恵を受けていないというのが実態なので、
都市部に住んでいても、公務員でもなく、大企業に勤務しているわけではない方は、
全くといっていいほど恩恵は受けていないので、地方の方は少し誤解していますが・・・


来春、統一地方選を控え、
成果が色あせかかる(もうメッキがはがれかけていますが)安倍首相にとって、
地方創生は長期政権に向けた欠かせぬ一手と考えているのは間違いないでしょう。

来年度の予算の概算要求基準で、
人口減対策や地方活性化に最大4兆円規模の特別枠を設けましたが、
これは、目に見える形で政権の姿勢をアピールしたいのでしょうが、
各省庁があれだこれだと関連付けて予算獲得に走る懸念があり、
本当に、問題に対して有効に使われるのか非常に疑問が残るので、
何に予算が使われるのか厳しいチェックをする第三者機関を設けるべきではないでしょうか?

本気で地方が直面する事態に国が真正面から向き合って、
地方の意欲であったり創意工夫を支えていこうという態度なのであれば、
現況、将来の改善に一定の効果は期待できるかもしれません。

しかし、
過去の政府と同じような一過性の景気対策程度にしか考えていない予算のばらまきを認めるという事は、
その芽を摘んでしまうだけでなく、
二度と地方都市が立ち上がれなく危険を伴っているという事がわかっているのでしょうか?
利益を追求する官庁の壁を打破して
、国、政府と地方が一丸となって、しっかりとした骨太の対策をうちだせるのか?
来月9月から来年の1月までの時間でしっかりとした対策がだせるのか?と
非常に大きな疑問が残ります。

本当に、地方の事を考えているのであれば、しっかりとした調査や予測、政策を考えた上で、
統一地方選挙前に結論を出すのではなく、
専門家も含めて議論をしていくべきではないでしょうか?

1月までに結論をだすのは、来春の統一地方選を意識した点数稼ぎという疑念は拭い切れません。

過去の幾つもの例から、統一地方選後には、
急速に「まち・ひと・しごと創生本部」の活動が忘れ去られてしまうのではないかと不安になります。